IT転職で失敗しないために、転職エージェント選びは非常に重要なステップです。一般的な転職エージェントではなく、IT専門または IT求人に強いエージェントを選ぶことで、技術スタックや職場環境に関する詳細な情報を得られ、年収交渉でも強いサポートを受けられます。
IT転職メディアとして多くの転職者の声を聞いてきた経験から言えるのは、「エージェントは1社だけでなく複数登録する」のが鉄則だということです。各エージェントによって保有する求人、アドバイザーの専門性、サポート体制が大きく異なるため、複数を比較することで選択肢を最大化できます。
筆者が調べた範囲では、エージェントごとに得意とする年収帯や職種に明確な違いがあります。この記事では、エンジニア向けIT転職エージェント8社を、求人数・年収アップ実績・サポート体制・得意な職種・利用者の評判などの観点から徹底比較します。
IT転職エージェントと一般転職エージェントの違い
IT転職エージェントを選ぶ最大の理由は、専門性です。一般転職エージェントのアドバイザーは様々な業種を担当しているため、「React経験3年、AWSのSAP資格保持者」「バックエンドはGoとPythonどちらが強みか」といった技術的な文脈でのキャリア相談が難しい場合があります。
IT専門エージェントのアドバイザーは、元エンジニアや IT業界出身者が多く、技術スタックや開発環境への理解が深いため、「この企業はどんな技術を使っているか」「チームの開発文化はどうか」という実務的な情報提供が可能です。また、エンジニア採用に特化した企業との信頼関係が強く、非公開求人の質と量も充実しています。
IT転職エージェント8社の総合比較表
| エージェント名 | IT求人数 | 平均年収アップ | 得意分野 | 未経験対応 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| レバテックキャリア | 15,000件以上 | +143万円 | Web系・自社開発 | △(要スキル) | IT専門No.1規模 |
| マイナビIT AGENT | 25,000件以上 | 非公開 | 全IT職種 | ○ | 求人数最多、幅広い |
| Geekly(ギークリー) | 10,000件以上 | +112万円 | Web・ゲーム・IT | △ | スピード転職に強い |
| Green | 20,000件以上 | 非公開 | スタートアップ・自社開発 | △ | スカウト型、掲示板的 |
| doda X(旧iX転職) | 8,000件以上 | 非公開 | ハイクラスIT・管理職 | × | 年収800万以上向け |
| ウズウズIT | 3,000件以上 | 非公開 | 第二新卒・未経験 | ◎ | 未経験特化、手厚い |
| paiza転職 | 5,000件以上 | 非公開 | エンジニア全般 | △ | スキルチェックで評価 |
| 転職ドラフト | 参加企業800社以上 | 平均提示年収535万円 | 開発エンジニア | × | 年収先提示、指名型 |
各エージェント詳細レビュー

1. レバテックキャリア(IT専門転職エージェントNo.1)
ITエンジニア・デザイナー専門の転職エージェントとして、業界最大規模の求人数と転職支援実績を誇ります。アドバイザーの専門性が高く、技術スタックやプロジェクト規模に関する詳細な情報を基に、本当に自分に合った求人を紹介してもらえます。
特に評価が高いのは、平均年収アップ+143万円という転職実績です。これは単に高年収求人を紹介しているのではなく、候補者のスキルを正確に把握したうえで年収交渉を適切に行っているためです。非公開求人の保有数も多く、大手Web系企業の非公開ポジションへのアクセスが可能です。
一方で、ある程度のIT経験(目安として1〜2年以上)がないと紹介できる求人が限られる点は注意が必要です。未経験者よりも、現役エンジニアが次のステップを探す際に最も力を発揮するエージェントです。
2. マイナビIT AGENT
マイナビグループが運営するIT専門転職エージェント。25,000件以上のIT系求人を保有し、未経験・第二新卒から経験者まで幅広く対応しています。総合転職エージェントとしての強みを持ちながら、IT部門が独立したサービスとして専門性を高めており、全国各地の求人にも対応しています。
未経験者や異業種からのIT転職を希望する方には特に向いており、書類作成から面接対策まで一人ひとりに合わせた丁寧なサポートが好評です。地方在住でIT転職を目指す方にとっても、地方企業とリモートワーク求人の両方にアクセスできる強みがあります。
3. Geekly(ギークリー)
IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェント。業界の特性上、動きが速い転職市場に合わせた迅速なマッチングが強みで、「最短2週間での転職成功」という事例も多数あります。ゲーム業界やエンタメIT分野の求人が特に豊富で、この分野でのキャリアを考えている方には最適なエージェントです。
アドバイザーの質も高く、利用者の評判として「面接後すぐにフィードバックをもらえた」「企業の内部情報を詳しく教えてもらえた」という声が多く見られます。転職スピードを重視する方に向いています。
4. Green(グリーン)
IT・Web系企業に特化した転職サービスで、求人掲示板とスカウト機能を組み合わせたユニークな形式が特徴です。エージェントに相談するよりも「自分で主体的に転職活動を進めたい」という方に向いています。スタートアップや自社開発企業の求人が特に充実しており、企業からのスカウトメッセージを受け取ることで、自分の市場価値を把握することができます。
求人企業のカルチャーや職場の雰囲気を詳しく知れる「企業インタビュー記事」や「社員レポート」が充実しており、入社後のミスマッチを防ぐのに役立ちます。転職エージェントと並行して利用することで、求人の選択肢を広げられます。
5. 転職ドラフト
エンジニアに特化した指名型転職サービスで、業界でも独自性の高いサービスです。登録すると企業から年収を明示した上でのスカウトを受け取ることができ、「まず年収をいくら出してもらえるか知りたい」という方に最適です。
参加企業は約800社で、主にWeb系・自社開発企業が中心です。選考前に年収の目安を知ることができるため、年収条件の不一致による時間の無駄を省けます。ただし、一定のスキルと実績がないとスカウトを受けにくい点は注意が必要です。
6. ウズウズIT(未経験者向け)
第二新卒・フリーター・未経験者の就職支援に強みを持つウズウズが運営するITサービス。インフラエンジニアやサポートエンジニアとしてのキャリアスタートを目指す未経験者に特化したサポート体制が充実しています。無料でITスキルの学習コンテンツも提供しており、スキルと転職サポートをセットで受けられる点が特徴です。
未経験からIT転職を目指す方の最初の相談先として非常に向いています。詳しい転職の流れについては、未経験からIT転職する方法もご参照ください。
7. paiza転職
エンジニア向けプログラミングスキルチェックサービス「paiza」と連動した転職サービス。プログラミングの実力をランク(S〜Eランク)で証明できるため、「資格はないけど実力はある」というエンジニアが自分のスキルをアピールしやすい環境です。企業側もpaizaのランクを参考にして採用判断できるため、書類選考通過率が上がりやすいという特徴があります。
8. doda X(ハイクラス向け)
年収600万円以上のIT・デジタル人材向けハイクラス転職サービス。ITマネージャー、CTO、プロダクトマネージャーなど上位職種の求人が中心です。スカウト型で、企業から直接オファーを受け取ることができます。経験豊富なシニアエンジニアや管理職経験者のキャリアアップに向いています。
目的別:最適なIT転職エージェントの選び方

未経験・第二新卒でIT転職したい
ウズウズITとマイナビIT AGENTの組み合わせが最も効果的です。ウズウズITはITスキルのサポートから転職活動まで一貫してサポートし、マイナビIT AGENTは求人数の多さで選択肢を広げてくれます。
年収を大幅にアップさせたい
レバテックキャリアと転職ドラフトの組み合わせが最適です。レバテックキャリアで専門的なキャリア相談を受けながら、転職ドラフトで自分の市場価値を客観的に確認することで、年収交渉の根拠が明確になります。
スタートアップ・自社開発企業に転職したい
GreenとRUNTEQ(スクール経由)の活用が有効です。Greenはスタートアップ求人が特に豊富で、企業文化に関する情報も充実しています。
転職エージェントを最大限に活用するための7つのコツ
転職エージェントに登録しても、受け身の姿勢では効果が半減します。以下のコツを意識して活用しましょう。
1つ目は「希望条件を具体的に伝える」こと。「年収500万円以上」「週3日以上リモート」「自社開発企業のみ」など、優先順位をつけて伝えることで、ミスマッチな求人紹介を減らせます。
2つ目は「3社以上に登録して比較する」こと。同じ求人でも、エージェントによって紹介のタイミングや情報の詳しさが異なります。複数社比較することで、最も自分を深く理解してくれるアドバイザーを見つけられます。
3つ目は「担当アドバイザーとの相性を重視する」こと。「紹介求人が希望とずれている」「連絡が遅い」と感じたら、早めに担当変更を申し出ましょう。
4つ目は「非公開求人を積極的に聞く」こと。IT転職の好条件求人の多くは非公開です。「この条件に合う非公開求人はありますか」と積極的に質問することが大切です。
5つ目は「企業の内部情報を引き出す」こと。面接前に「このポジションが空いた背景は?」「現チームの人数と構成は?」「過去に何人が採用されたか?」などを聞いておくと、面接での回答の質が上がります。
6つ目は「面接後すぐにフィードバックをもらう」こと。面接内容が記憶に新しいうちにエージェントに共有し、次の面接に向けて改善点を確認しましょう。
7つ目は「内定後の年収交渉は必ずエージェント経由で行う」こと。自分で直接交渉するより、エージェントが代行する形の方が、企業も交渉に応じやすい場合があります。
エンジニア転職の成功事例:実際の転職体験談
IT転職メディアとして取材した事例をご紹介します。30代のSEとして大手SIerに7年在籍していたAさん(現在36歳)は、クラウドエンジニアへのキャリアシフトを目指してレバテックキャリアとGreenを併用しました。レバテックキャリアで非公開求人を4社紹介してもらい、Greenからのスカウトで2社追加、計6社の選考を進めて最終的に東京の自社開発企業に内定。前職の540万円から転職後は730万円と、190万円の年収アップを実現しました。
Aさんが成功した理由は「AWS認定資格(SAP)の取得」「GitHubでの個人開発の継続公開」「職務経歴書でのインフラコスト30%削減事例の数値化」の3点が、採用担当者に強くアピールできたからだと語っています。
IT転職エージェントの選び方は、自分の経験・目標・転職スタイルによって異なります。経験者の年収アップにはレバテックキャリア・Geekly・転職ドラフト、未経験者にはウズウズIT・マイナビIT AGENT、スタートアップ狙いにはGreenが特に向いています。いずれの場合も、1社に絞るのではなく3社程度を並行して活用することで、選択肢と情報量を最大化できます。転職エージェントはすべて無料で利用できるため、まずは気になるサービスへの無料登録から始めてみましょう。